学生時代の彼女が20年経ってもまだ結婚していなかった同期会

記事作成日: 2015-10-066694pv

学生時代の彼女が20年経ってもまだ結婚していなかった同期会

ペアリング

二人の出会いは予備校ラブ、同じ大学を受験した結末は

もう20年以上前の話。彼女は県下トップの進学校の女子高出身の才色兼備、私は3年間県内屈指のスポーツ強豪校で過ごしたせいかまんまと浪人生活に。そんな二人の出会いは、予備校。お互い共通の友人が多かったこともあり、いつの間にか男女10名ほどのグループができて、勉強だけでなく、校外でも遊びに行くようになった。当初はグループ内で楽しく過ごす程度の仲だったが、いつのまにかグループ内での彼女との距離も徐々に縮まっていた。ある日の夜、気付くと予備校の自習室には彼女と二人きり。どちらということもなく、自然な流れで付き合うことになった。同じ地方の国立大を目指していたものの、当初の二人の学力の差は歴然。模試では彼女は常に安全圏内、一方私は志望校を変えたほうがいいレベルだったが、僕は彼女と一緒に必死に勉強した。その甲斐もあって、私も受験時にはなんとか合格可能なレベルに達し、二人で学部こそ違うも同じ大学を受験。そして迎えた合格発表の日、期待と不安を抱えながら掲示板に向かう二人。

学生カップル

人生初めての指輪選び、楽しいキャンパスライフを続ける毎日

一か月後、私は志望校の大学のキャンパスに、彼女は別の教育系大学のキャンパスにそれぞれ通い、新しい学生生活を送っていた。同じ大学を受験した結果、もともとの学力とは裏腹に彼女だけが残念ながら叶わず、別の大学に行くことになっていたのだった。私は彼女の人生を変えてしまった責任をどこかに感じ、学生ながら彼女との将来の結婚も視野に入れて、彼女との付き合いを深めた。お互いの家族の間でも将来の結婚の話題などが自然に出るほどだ。そのような中、予備校時代に付き合いだしたあの自習室の日を記念して、二人で指輪を買おうということになった。とは言え、私は指輪どころかジュエリーには全く無知だった為、彼女に指輪選びは任せて百貨店へ。彼女が選んだのはお揃いのシルバーリング。照れくさいので私は二人きりのデート以外ではほとんど指輪をつけることはなかったが、彼女はいつもと言っていいほどリングをつけていたそうで、私としても初めての経験だったので、なんとなく嬉しく感じていました。こうして楽しいキャンパスライフを送っていた二人でしたが、私は大学で大所帯の運動部で主将を務め、彼女は教員を目指していたこともあり、それぞれの生活に忙しくなってしまい、徐々に二人での時間が取れなくなり、疎遠になっていったのであった。

学生カップルのてつなぎ

あれから、20年後の同期会、彼女が別れ際に言った一言は

あれから20年、当時のあの予備校グループのメンバーたちもアラフォー世代になり、久々にみんなで集まることになった。ほとんどのメンバーが結婚して子供もいる中、私も類にもれず結婚して15年、二児の父親であり夫になっていた。そして、同窓会当時、ややスタートに遅れていくと、当時の彼女も既に到着しており、仕組まれているかのように隣の席が空いているではないか。僕はすかさず席に座り「久しぶり!元気だった」とありきたりな挨拶を交わした。みんなで近況を報告しあったり、昔話に盛り上がったりと会は進む。しばらくすると、ふと逆隣りに座った男子メンバーのSが耳元で「そういえばNちゃんって結婚したのかな?」と一言。ちらっと見たところ、結婚指輪らしいものもしていないし、さっきから話題も仕事の話ばかりで、そんな話もできていない。お酒も入っていたこともあり、周りのみんなに乗せられて、なんとなく罪悪感を覚えつつも、勇気を出して彼女に「Nちゃんはその後プライベートなほうはどう?」と精いっぱいのオブラートに包んだつもりで聞いてみた。すると、「指輪もしていなんだから聞かなくてもわかるでしょっ」と笑いながら答えてくれた。一瞬どう反応していいかわからなかったが、これまた周りのみんなから笑いながら「とりあえず、いろんな意味で謝れー」とはやし立てられ、やむなく「いろんな意味でごめん。」と彼女に小声で一言。特に気まずい雰囲気にもならず、そのまま会は盛り上がって終了。ほろよい気分で会場をあとにし、タクシーに乗り込んだ。別れ際に彼女から言われた「K君、~よ」という言葉が頭の中でこだましていた。

ペアリング

ライター 感動プロデューサー Kando Producer

この記事を書いた人ライター 感動プロデューサー Kando Producer

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