この記事を書いた人ライター 感動プロデューサー Kando Producer
社会人初めての職場は年上の女性ばかり
大学までは実家暮らしだった私が就職して初めて配属されたのはとある東北の地方都市の支店。その支店では5年ぶりの新卒社員の配属とあって、上司・先輩方の歓迎振りは大変なものだった。その中でも、見知らぬ土地での初めての社会人生活の面倒を見れくれたのは、直属の上司や先輩だけではなく、別部署の5~10歳以上も年の離れた先輩の女子社員のみなさんだった。職場では営業現場でもまれて帰ってくる私に親身にアドバイスをくれたり、よくよく業務後の食事や飲み会などにも誘って頂いた。そんな中、元気よく威勢のよい先輩方の中でも一番年下で大人しいほうだったMさんと後にあのようなことになるとは、その時は想像もしなかった。
きっかけはある職場の食事会の帰り道
配属から1年半以上たって、私は職場に慣れるどころか、管内でも営業成績トップクラスを常に顔を連ねるようになって、最年少ながら支店でもてはやされるようになっていた。その一方で、仕事に没頭するあまり、毎日自宅と職場の往復するだけの生活が続いており、炊事洗濯のできない私は、自宅での寂しさもかねて、一人暮らしに限界を感じていた。今思えば、心のどこかでは早く結婚でもしないとやっていけないな・・・などと考えていたのかもしれない。そんな中、あの先輩方は相変わらず飲み会には誘ってくれて、気分展開をさせてもらっていたが、ある日の飲み会の帰り道、たまたまあのMさんと一緒になった。5つ年上であったが一番年が近かったのもあり、いろいろ一番私を気にかけてくれていたのが彼女だった。ややほろ酔いだったことも手伝って、私が思わず彼女に言ってしまった一言が・・・「結婚したい」
修羅場になるか。最大のハードルの先には・・・
その後、そんな冗談みたいな一言をきっかけに付き合うようになったが、私は一人暮らしには限界を感じたこともあり、彼女に毎日のようにその一言を言い続けいていた。最初は彼女も若造のたわ言くらいにしか思っていなかったようだが、何回も言われるうちに本気と受け取ってくれたようで、ついに私との結婚を決意してくれた。しかしながら、実は彼女は当時10年近くも付き合っている遠距離恋愛の彼氏がいたのだった。私もそれも知った上でのことではあったので、けじめとして東京で生活する彼氏のもとに、彼女と別れを告げるとともに結婚の報告をしにいくというある意味暴挙で出た。忘れもしない東京のとあるカフェで、彼と対面し、誠心誠意の言葉でことを告げた。さすがにびっくりした表情は見せたが、最後には自分が彼女のそばにいれなかった反省の言葉とともに、話を受け入れてくれた。
その晩、いったん区切りが付いた私たち二人は東京のとあるレストランにて夕食をとり、私は用意していた婚約指輪をそっと彼女に差し出した。それがある年のクリスマスの出来事だった。